くますけ通信103号

         くますけ通信    第103号  大丸薬局
   感謝
  初夏を感じる温かさですね。ハナミズキの花がきれいです。ダイレクトメールを出していると、1年間に3回くらい、お客様のご家族から「亡くなりました」とご連絡を頂くことがあります。お電話のこともありますし、ご来店されて、状況をお話し頂くこともあります。私はお悔やみを言い、ご家族のお気持ちに沿うことしかできませんが、充分な看取りをされた方は、きっと穏やかなお顔だったと思います。
昔、お葬儀に出た時、お坊様がお説法で、「命の終わりに立ち会う時、人間は死を見て、自分が生きていることを再確認する。だから、生きている者は、一生懸命、生きなければいけない」と言われていました。
先日、奥様を亡くされたお客様が、あいさつに来てくださいました。店にいる母と雑談をしているとき、母が「ごはんが大好き」と言ったものだから、翌日、たくさんのお米を持ってきてくださいました。「家でとれたお米ですが、お母さんに食べさせてあげて」と言って頂きました。母は戦争を生きた人なので、白いご飯が何よりごちそうと思っています。
人は生まれた時に、一生分の食糧を決められていると聞いたことがあります。お米までいただける母は、まだまだ生かしてもらえそうです。ありがたいことです。母と二人で、今年もツバメが来るよう、毎日待っています。

くますけ通信102号

         くますけ通信    第102号  大丸薬局
   帰国
  春一番の嵐が過ぎて、暖かくなり始めた日に、娘がオーストラリアから一時帰国しました。親友の結婚式に出席するためです。「結婚式は仏式で、花嫁も和装なので、出席する女子は着物がいい」と言われ、式の前日にしか帰らない娘に代わって、美容院の予約、着物と小物をそろえて持っていくなど私の仕事は増えました。
それでも、友達の結婚式に出たら、「次は私の番」と言ってくれるのではと、期待していた私の気持ちに反し、帰国した娘の第一声は「彼氏と別れた」でした。がっかりです。未婚の子供を持つ親には「あるある」だと思うのですが、「落ち着いてくれたらほっとするのに」というのが本音ではないでしょうか?結婚式は、友人の出席者の多い、楽しい、あたたかい式だったようです。
たった4日で戻っていった娘は、大阪の空港から発つ前に、岐阜で国際免許の更新をするといい、美濃太田駅まで送ったのですが、「財布を無くした」と岐阜から連絡があり、駅からも出られず大騒ぎ。「美濃太田に戻るから、改札にお金持ってきて」と言ったものの、着くはずの電車からは降りても来ず、私は改札前でハラハラしながら1時間待つことに。「落とした?盗られた?」と探した後に、財布はスーツケースに紛れていたことがわかり、ほっとしたものの、大阪に行く時間は夜になってしまいました。
「大丈夫!」という娘に、「いつまで親に心配かけるの!」と胸を痛める私でした。

くますけ通信101号

         くますけ通信    第101号  大丸薬局
   春よ来い♪
  「2月は逃げる」「3月は去る」といって、早く過ぎることを言うようですが、今年の2月は長く感じます。寒さは老体にこたえるので、早く春になってほしいですね。
去年の今頃は、母の体調が悪く、デイサービスで「熱があります」と言われるたびに、インフルエンザでないかと病院に連れて行ったり、手が動かないと何度も検査を受けたりと、大変だったことを思うと、今年は体調も安定していて、安心して介護できるのでうれしいです。
「サワコの朝」の阿川佐和子さんが、中居くんの番組内で、頑固なお父様の介護について話していらしたとき、「手抜きの介護」という言葉が私の耳に止まりました。それは、「後ろめたさを持つ」というものでした。佐和子さんは「昼に面会に来てくれ」というお父様の希望に、「仕事で行けないの」と返事をして時間をずらし、ゴルフをしていたというのです。その「後ろめたさ」が「介護に優しくなれる」というのでした。やっと私の疑問に答えをもらえたと思いました。私は「手抜きの介護」→「介護放棄」→「母の衰弱」のような構図を勝手にもっていて、罪悪感から手抜きができないでいました。
それで 私はいつも一緒の母を部屋に置いて、外出することをしてみました。以前に赤ちゃんを連れてきた娘の友達が、家を建てたというので、私も連れて行ってもらいました。昼食後から夕食前まで、母は自分の部屋で休んでいましたが、何事もなく、ほっとしました。私にはとてもいい休日でした。

くますけ通信100号

         くますけ通信    第100号  大丸薬局
   おめでた
  年が明けて、早や一月が過ぎようとしています。今年はどんな年になりそうですか?私のおみくじは末吉でした。後半良くなるのでしょうか。
一月早々、おめでたい話が聞けました。不妊で当店の漢方を娘さんに飲んで頂いていたお客様が、「できました」とおめでたの報告をして下さいました。私自身、7年目に長女を授かったので、病院で「おめでたです」と言われた時は、感激して号泣したことを思い出しました。娘さんの喜びと、お母様の安堵感が伝わって、私もうれしい気持ちになりました。無事、出産して頂きたいです。
以前に、出産見舞いの話を書いた娘の友達が、4か月になる赤ちゃんを連れて、来てくれました。その赤ちゃんを見たさに、娘の友達たちが集まってきて、「かわいい!」かわいい!」「連れて行きたい」「赤ちゃん欲しい!」と大盛り上がりで賑やかなこと。一人ずつ抱っこをして、回されても泣き出さない強い子で、丁度来店のお客様も、何の騒ぎかとびっくりです。赤ちゃんパワーは、周りを幸せにしてくれます。
赤ちゃんは おむつを替えてもらっても、周りを笑顔にするのに、どうして老人介護はおむつを替えてもらっても、周りは笑顔にならないのでしょう?何か秘訣があったら、悲しい事件も減っていくだろうと思います。もっともっと出産率が増えて、赤ちゃんパワーが大きくなったら、日本の未来も明るくなるでしょうね。

くますけ通信99号

         くますけ通信    第99号  大丸薬局
   くすり
 師走になりましたね。今月の初めに、小学校で、薬物乱用について 保護者に話をする機会がありました。その時に話した話ですが、実際にあった相談なので、同じようなことをされる方があるかもしれないと思い、書いてみました。
そのお客様は、店頭で痛み止めを購入後、「もう一つ、聞きたいのだけれど」と言って、150mgのリリカカプセルを出されました。「これを飲んだらフラフラになったけど、飲まない方がいいかな?」という質問でした。「病院で処方されましたか?」と聞くと、「会社の友達からもらった」と言われます。その薬は、25㎎、75㎎、150㎎と規格があり、初回は25㎎から始め、通常量75㎎、特別な時だけ150mgが許可される処方箋薬です。さらにこの方は、渡した友達から「2つ飲むとよく効く」と言われて、素人判断で 150㎎のカプセルを2つ飲んでみえました。つまり300㎎です。初回25㎎の薬を、300㎎飲んだらどうなるでしょうか?
初めにお客様がフラフラになったと言われたのは、当然です。用量オーバーだからです。薬には極量というのがあって、極限の量ということですが、死に至る量です。この方は大変危険なことをされました。処方箋薬は、その人だけに合わせて処方されるので、他人からもらうなど、絶対にしてはいけません。
正しい知識を持たないで、口に入れるものを決めることは、とても怖いことです。簡単にネットで購入した薬や、友達から勧められたからと買ってしまうマルチ商法の健康食品も、確認してから飲みましょうね。

くますけ通信98号

         くますけ通信    第98号  大丸薬局
   映画会
 紅葉も色づいてきました。冬が近づいてきましたね。10月の広報紙を、母が見ていた時のことです。イベントの記事を指さしては、「これに連れてって」と言います。それは会場が2階だった為、「階段を上がれないからだめだよ」と言うと、「だったら、これは行ける?」と言います。母が指差すページをよく見ると、入場無料と書いてあるものを探しては、連れて行ってほしいと言っていることがわかりました。
母は、私とどこかに出かけたいのだと思い、母が行けるところはないかと見ていると、文化の森の映画会がありました。車いすでも入れるのかを問い合わせると「先着120名のため、当日並んでもらう必要がある。整理券はない」とのこと。どれくらいの混み具合かを、午前中を見て、連絡してもらうことになりました。
当日はあいにくと 台風が近づいていて、最接近は夕方からでしたが、ぎりぎりまで外出を迷っていました。出る前は雨も小降りだったので、思い切って連れて行きました。映画は「青い山脈」という昔のものでしたので、母にも歌が口ずさめて楽しむことができました。しかし、問題は帰りでした。すでに雨は大降りになり、車の乗り降りにも濡れて帰宅することになりました。
実際に介護をしてみると、こんなに車いすが増えてきても、下調べをしないと安心して外出できない現状があります。私は母を看て、自分だけでは気付けないことに、目が向くことを良かったと思います。            

くますけ通信97号

       くますけ通信    第97号  大丸薬局
   友
 肌寒くなりましたね。寒さは人恋しくなるのでしょうか?「久しぶりに集まろう」と、中学時代の友人と女子会?をしました。夜7時半に集まり、夜中の12時半まで5時間もしゃべり続け、友人の様子、恋話、健康のこと、話はいつまでも尽きず、時計を見て、あわてて帰ってきました。
友人の一人は、中学の時、新聞屋さんへ養女に来た転校生でした。当時は知らなかったのですが、彼女は店の新聞配達を手伝って、頂いた給料で中学校の給食費を払っていた苦労人でした。昔は新聞少年、新聞少女が多くいましたね。   
そんな彼女が、大病をして、手術後、体にたくさんの管を通していたとき、彼女は「自分は生きている資格があるのか?」と自問自答したそうです。それでも、前向きな彼女は、生かされているのだから、何か自分にもできることはないだろうかと考え、点滴棒を押しながら、病棟の人に一人一人声をかけ、「一緒に頑張ろう」と周りの人を励ましたそうです。人は自分より不幸な人がいると、自分はまだ幸せな方かと考えるようです。
周りを励ましていた彼女ですが、気付いてみると自分が元気をもらっていて、どんどん良くなるので、ドクターから「病棟であなたが一番元気だから、退院していいよ」と2か月の入院予定が、1か月になったそうです。気持ちの持ちようは大切ですね。私も、何か周りの人にできることはないか?もう一度考えてみようと思いました。

くますけ通信96号

くますけ通信    第96号  大丸薬局
   新しい命
 栗を頂きました。秋ですね。今年、我が家には 10年ぶりにツバメが巣を作りました。生まれたてのヒナは、頭が1センチもなく、首は1ミリ程で折れそうです。こんなのが無事育つのかと思いきや、ツバメの親は毎日せっせと餌を運ぶので、ヒナの成長はとても速く、ぐんぐん大きくなっていきました。
母ツバメに連れ立って餌をとりに行くようになると、いつ飛び去っていくのかと、朝晩、巣にいるヒナを確認していました。飛び立っていく前には律儀にも、私が家から出てくるのを待っていて、私の上を旋回してあいさつをしました。「子供たちが元気に育ってよかったね」と声をかけると、「ピー」と返事を返してくれました。老いた母がツバメを見守り、ツバメが母を見守ってくれたような夏でした。
9月に入り、娘が中学生の頃、いつも我が家に立ち寄っていた娘の仲間の一人が出産をしました。家に来ると、私を「ママ、ママ」と呼んでくれて、私が帰ると「ママー、おなかすいたー」とツバメのヒナのように口を開ける娘たちだったので、生まれた赤ちゃんは自分の孫ができたようで、私は病院に 赤ちゃんの顔を見に行きました。新しい命は、元気な男の子でした。
「神様からの授かりもの」命の尊さ、五体満足で生まれること、無事に育っていくこと、全て自然でいながら、奇跡の積み重ねに思えます。親はだんだん欲が出てくるもの、子は思いどおりに育たない。「生まれてくれて、ありがとう」の気持ちを、いつまでも忘れないようにと 伝えてきました。

くますけ通信95号

 くますけ通信    第95号  大丸薬局
   郡上踊り
 各地で夏祭りの始まる季節です。毎日暑いですね。2年前に親友と「来年、郡上に行こう」と約束して、去年は私の母の入院、友人もご両親の介護があり、お互い相手の忙しさを思い、旅行のことを言えずにいました。後で、二人とも約束は覚えていたことがわかりました。今年こそはと、私は母のショートの希望を出したのですがとれず、友人は旅館が取れないと言い、日程をずらすことにしました。
その話を他の人に話すと、長良川鉄道の郡上踊り列車を教えてもらいました。郡上には数回行ったことがありますが、列車で行ったことはなく、疲れないので乗ってみることにしました。
浴衣を着て出ることにしたのですが、私は下駄がなく、当日に着いてから、一番に下駄を買いに走ろうと思っていたら、郡上踊り列車を教えてくれた友人が「郡上まで行くから下駄を買ってきてあげる」と言ってくれました。「赤い鼻緒がいいわ」と希望を言って、下駄が手元に来ました。母は姉が預かってくれることになり、郡上踊りに行ける準備が整ってくると、介護疲れで、外出する気持ちがあまりなかったのに、8月がとても楽しみになってきました。
気分が沈みがちな時、日常と違う予定を入れてみると(もちろん楽しい予定でないといけませんが)、計画の準備中に、少しずつテンションが上がってくるのを知りました。何をしたらいいかを考え、行動していくことが、自分の中の何かを変えているのでしょう。さあ、出かけてみましょう!

くますけ通信94号

くますけ通信   第94号
    歯科
     天気予報は梅雨入りしましたが、外出したいような青空が続いています。母の入れ歯が壊れて、5月から歯科に通院しています。幸い、近くに車いすで行くことができる良い歯科があったので助かりました。母は「上手な先生なので痛くないようにやって下さる」と喜んで通ってくれます。
    そこで、私も以前から気になっていた歯を治そうと通院し始めました。まず初めに「今日歯磨きしてきましたよね?」と先生に言われ、「はい」と私。「みがけていませんよ」と怒る先生。あーはずかしい!どうやら、私の歯みがきはずいぶん雑であったことがわかりました。長年の癖でみがいていて、痛くて歯間ブラシが入らないところが多数。歯科は、毎日の歯みがきができることが一番大事な指導らしく、丁寧にみがき方を教えて頂きました。
    先生と患者、立場は違っても、上手な歯のみがき方という共通の認識が必要という治療を知り、これは私の仕事でも同じなのだと再認識しました。病気の知識のないお客様に寄り添い、病気を知ってもらうよう説明し、同じ認識を持つことで、薬をきちんと使ってもらうようにすること。がんばらなくては!
    今はまだ治療中ですが、梅雨の明けるころには 口の中もスッキリ。気分もスッキリとなることを願っています。歯科がきらいな貴方。あの音、イヤなのわかりますよ。でも、歯は食べることにつながります。頑張って自分の歯を残しましょうね。